音殺しのマガサ/Magatha, Bane of Music

マガサ・グリムトーテム(Magatha Grimtotem)は、グリムトーテム氏族のシャーマン。夫である氏族長が「予期せぬ登山事故」で命を落とした後、氏族の統率者となった。
グリムトーテム氏族は幼少期から自然との触れ合いに代わって戦いと殺しの技術を学び、他種族に対して著しく好戦的・排外的な態度を取る、穏健で自然との調和を重んじる者が多いトーレンの中では異質な殺伐さを保った氏族である。マガサ自身もシャーマンとしての力量に優れる一方、野心的で狡猾な性格であり、トーレン界で声望を集める《ケーアン・ブラッドフーフ/Cairne Bloodhoof》とたびたび反目し、ガロッシュやフォーセイクン勢力に支援を申し出て接近し、ラヴァック・グリムトーテム(マーセナリーズに登場)などを他種族(の弱さ)を研究する目的で各地に放つなど、陰に陽に野心的行動を重ねてきた。
ケーアンがガロッシュにマク=ゴラを挑んだ際、マガサはガロッシュの武器を祝福するシャーマンに自身を推薦してその役に就き、《ゴアハウル/Gorehowl》に秘密裏に毒を仕込んで間接的にケーアンを殺害し(英雄の書ガロッシュ編5戦目)、訃報が伝わり切らぬ間に精強な軍勢を差し向けてサンダー・ブラフの大部分を制圧した。ケーアンの息子であるベインをも氏族長とする体制が固まる前に殺害し、一気にブラッドフーフ氏族を壊滅させてグリムトーテム氏族の覇権を確立させることを企図した周到かつ迅速な行動であった。
だがケーアンに敬意を持っていたジェバン・グリムトーテム(Jevan Grimtotem、"Stormsong"の異名をとるシャーマンだった)はマガサを裏切り、ベインに父の死を伝えるとともに彼を匿った。ベインとジェバンは他のトーレン氏族を糾合し、《ガズロウ/Gazlowe》からも兵器援助を受けて反撃を開始。マガサはガロッシュに決闘での「助力」を告白して助けを求めるが、神聖な決闘を穢されたと知ったガロッシュは激高してこれを拒絶。ベインの軍勢はサンダー・ブラフを奪回し、ベインはグリムトーテム氏族に対してマガサと絶縁して自らに忠誠を誓うか、ストーンタロン山脈への流刑かの2択を迫り、約1/4がジェバンに従いホードの一員となり、残りはマガサに従いトーレンの地を追われた。
しかしホード・アライアンス両勢力との衝突で傷つきながらもマガサの勢力は生き残り、現在もサウザンド・ニードルズ近辺に出没し小さくない脅威となっている。マガサ自身は何らかの計画のために姿を隠しているようで、冒険者の捜索でも一向に行方をたどることは出来なかったそうだが…