第３回コンテスト/色は匂へと散りぬるを

紹介 †

紹介文：
　【更新版】オルレアン高校の生徒達による、『秘密』のハートフル・サイキックRPG!

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感想・雑談・レビュー †

・感想

　7時間ほどでクリアしました。

　学園モノ、転校生、能力バトル、放課後の冒険、ボーイミーツガール…
現代ファンタジーの王道を踏まえつつ、
「発達障害」という社会的なテーマを取り扱った作品。
あくまで個人的な感想ですが、どうしても重たく、暗くなりがちな題材を、
キャッチ―な要素を盛り込むことでうまく扱っていると感じました。
主人公の西野ユウヒや、ヒロインの染井ヨシノを中心に、
さまざまな「秘密」を抱えたクラスメイトたちの織りなす青春群像劇として
綺麗にまとまっています。暗いエピソードは回想シーンにとどめ、
自分を肯定し、問題に向き合い、今をどう生きるかということを
メインにもってきているため、誰でもすんなりとプレイすることができます。
作中では「サイノウ」という名の超能力を持つ代わりに、先天的に
「サージュ症候群」と呼ばれる精神障害を持つメインキャラクターたちですが、
きっと誰もが生きていくうえでぶつかりうる困難を描いていますので、
プレイヤーによっては感情移入が難しいということは決してありません。
ときに悩み、立ち止まることがあっても、きっと乗り越えることができる…
あくまでも、キャラクターたちはいきいきと明るいです。

　戦闘は難易度やや高め、エンカウント数多めといった印象。
一部のエピソードにおいては、道中にエンカウント戦自体は
難しくないものの、取得経験値が少なくレベルアップが
困難であるため、ボス戦では回復アイテムをうまく
活用しつつの戦いになりました。また、ラスボス戦は
かなり難しく何度も再戦。レベル18～ほどから
チャレンジすることをオススメします。
全編通して、戦闘はややシビアではあるものの、
その分バランス調整は非常に丁寧で、属性や技、
装備、アイテムの使いどころ、レべリングの重要さが活きています。

　マップチップアートや、パラパラアニメを使用した見応えある演出も完備。
マップも見やすく明るく、終盤のダンジョンで少し迷ってしまったものの、美しかったです。
強いて言えば、ジャンプできる場所に目印があってもよかったかもしれません。

　作品通してのメッセージ性もあり、全体の完成度が高い作品だと感じました。