大魔導師ロンマス/Grand Magister Rommath

大魔導師ロンマスは、ケルサラス王国の魔導士たちを束ねるリーダー。現在は王国の執政ローセマー・セローンのアドバイザーも務めている。

魔法大国であるケルサラスの魔導士の頂点に立つ、アゼロス中でも最上位の実力を持った火炎魔法使い。基本的に無愛想で、ぶっきらぼうな言動をとるため冷たい人物であると思われがちだが、内心常に自分についてくる者たちのことを第一に考えており、かつてはケルサス王子、今はローセマーの傍らに立って、王国の未来のために奔走し続けている功労者。加えて実利を見据える政治家としての資質まで兼ね備えている。

先代の大魔導師ベロヴィア・サロナー(Belo'vir Salonar)に魔法を教わり、ケルサスがキリン=トア評議員だった頃には、彼と共にダラランに滞在して自身も大魔術師の称号を得るなど、若いころから卓抜したメイジとして著名であった。スコージの侵攻に際してはベロヴィアと共に首都シルバームーンの防衛を主導し、ダラランから王子が戻るまでの間、国王アナステリアン(Anasterian Sunstrider)に続いて師ベロヴィアまでもがリッチキングとの対峙の末討ち取られるという憂き目にあいつつも大魔導師の称号を受け継いで抗戦を続けた。しかし王子が帰還した頃には王国は破壊されて多くの国民が死亡し太陽の泉も汚染され、その上アライアンス軍と合流したと思いきやそのアライアンス軍に殺されかかり、ヴァッシュの手引きで止む無くアウトランドに逃れることになってしまう。

この件が元で彼はアライアンスは勿論、仮にも評議員の一員であったケルサスに対してのその蛮行を素通ししたキリン=トアに対しても深い失望と怒りを覚え、かつては自分にとっての第二の故郷とさえ考えていたダラランとの関係を断ってしまった。エーサス・サンリーヴァー(英雄の書ジェイナ編に登場)は同じく原形をとどめぬほどに壊滅したダラランに残る選択をしたが、この行動についてもロンマスは「祖国の復興を手伝うべき時であるのに」と快く思わず、ライバルだったものの配下を愛する点で根は似ていた両名の関係にしこりを残している。
その後ケルサスがアウトランドで外部リソースから魔力を得る手法を開発すると、そのマナ中毒の解決策を携え本国に帰還して多くの民を救った。
ケルサスを最も長く、最も近くで見てきた人物であり、彼に対する忠誠心は誰より篤かった。それだけに、彼が裏切り者として最期を遂げた際には人格に障るほどのショックを受けたが、その後も王国の再建、再発したホード・アライアンス戦争への対処、それに伴いダララン内戦で危地に陥ったエーサスの救出などに携わった。