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TOBにより林家、暴力団関係者と決別|吉本興業の改革

竹中功

著者:竹中 功

1959年大阪市生まれ 1981年吉本興業株式会社入社後、宣伝広報室を設立、『マンスリーよしもと』初代編集長、よしもとNSCの開校に携わる。よしもとクリエイティブ・エージェンシー専務取締役、よしもとアドミニストレーション代表取締役などを経て2015年7月退社。
現在は作家として謝罪関連から、広報、コミュニケーションの専門家としての出版多数。また講演会やセミナーを通してビジネス人材の育成や危機管理、広報、メディアリレーションなどに関するコンサルタント活動を行う。
https://www.mdnboys.com/profile

本サイトは竹中 功氏による著書「吉本興業史」の内容を、著者及び株式会社KADOKAWAより許諾を得て一部掲載しています。お買い求めは上記リンクが便利です。
※ 図版・テキストのレイアウト・表現など、本書と本サイトの内容は一部異なる場合があります。

吉本興業の改革

 2009年(平成21年)に吉本興業はTOB(株式公開買い付け)を行うことを発表した。これも、中田カウス襲撃事件とまったく無関係だとはいえない。
 吉本興業は大証、東証の上場を廃止。クオンタム・エンタテインメントという特定目的会社にいったん吸収合併されたうえで、「吉本興業株式会社」に生まれ変わらせている。新生・吉本興業が誕生したのは翌2010年(平成22年)のことだ。

 令和の騒動の中でも、吉本興業の株主がテレビ局などのメディアに大半を占められていることが問題視されていた。そういう体制になったのもこのときのことだ。新生吉本興業に賛同してくれる31社に株主になってもらったのである。

 どうしてこの改革を行ったのか?

 ライブドアがフジテレビの買収に動いたのは2005年(平成17年)だったので、M&A(企業の合併や買収の総称)などを防ぐ目的もあった。それだけではない。〝総会屋などが入り込む余地のないクリーンな組織にすること〟〝創業家が力を持たない状態にすること〟を考えての組織一新だったと見ることができる。

 この頃にはもうすでに、吉本興業の社長は創業家一族に限らず選ばれるようになっていた。橋本鐵彦(はしもとてつひこ)(1973~1977年)が最初で、その後も八田竹男(はった たけお)(1977~1986年)、中邨秀雄(1991~1999年)が社長になっている。林裕章をあいだに挟み(1999~2005年)、吉野伊佐男(よしの いさお)(2005~2009年)、大﨑洋(2009~2019年)と続いていた。

 だからといって、再び暴力団が絡んでくるような騒動が起こらないとは限らない。そういうことがないようにする目的で行われたTOBでもあったのだ。

創業家の排除

 マサ氏は2009年(平成21年)に亡くなった。TOBを行う直前には、本社にいた林正樹氏を子会社に出向させており(のちに退社した)、林家とつながりが深かった役員なども退陣させていた。林家の血縁者に関しては、正樹氏を最後に吉本にはいなくなったのだ。

 創業夫婦の孫娘の夫である吉本公一(こういち)氏が関連会社である大成土地の社長を務めているなど、創業家とのつながりが完全に断たれたわけではない。だが、こちらに関して問題視されていないのは、いまの体制に大変に理解があり、いくつかの協業もあり、新たな騒動の火種になるとは考えにくい人物だからだ。

 マサ氏が騒動を起こすようなことがなければ、正樹氏はどこかのタイミングで社長になっていたかもしれない。創業家一族の功績を考えれば、そうなっていてもよかったのではないかと個人的には思う。

 しかし、2009年のTOBは、吉本の健全化のためには避けられないことだった。暴力団との関わりを断つためには創業家の介入を抑える必要があったのである。

「今日のいまこの時をもって、ヤクザとはいっさい関わってはならん!」

 林正之助会長がそう宣言してから約30年。吉本興業から林家を切り離すことが、正之助会長の言葉を現実にするための絶対条件になっていたのだから皮肉な話だ。

試し読みページ一覧

はじめに
日本中を騒がせた二つの記者会見
・宮迫博之と田村亮の闇営業謝罪会見
・吉本の内部事情をさらけだすよな2時間半
「ビッグボス」がいなくなった日
・「お家騒動」に巻き込まれた中田カウス
・林正之助会長の逝去
「創業家当主」が起こした、お家騒動
・林マサ氏によるお家騒動
・中田カウスとマサ氏の関係
・キナ臭かった当時の吉本
「血だらけ」になっていた中田カウス
・未だ犯人の判明しない中田カウス襲撃事件
・襲撃を受けた中田カウスのその後
TOBにより林家、暴力団関係者と決別
・吉本興業の改革/創業家の排除
島田紳助の後輩への想い
・一世を風靡した島田紳助/島田紳助の引退
大﨑洋の「紳ちゃん……、ごめんな」
・波紋を呼んだ大崎の発言/大﨑の心中
「吉本興業vs講談社」という図式
闇営業騒動の余波
・カラテカ入江の契約解除
・加藤浩次と田村淳の独立
デビュー前のダウンタウン物語
NSC一期生という「ファミリー」
和会系暴力団組長の誕生パーティ出席事件

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