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【「血だらけ」になっていた中田カウス】未だ犯人の判明しない中田カウス襲撃事件

竹中功

著者:竹中 功

1959年大阪市生まれ 1981年吉本興業株式会社入社後、宣伝広報室を設立、『マンスリーよしもと』初代編集長、よしもとNSCの開校に携わる。よしもとクリエイティブ・エージェンシー専務取締役、よしもとアドミニストレーション代表取締役などを経て2015年7月退社。
現在は作家として謝罪関連から、広報、コミュニケーションの専門家としての出版多数。また講演会やセミナーを通してビジネス人材の育成や危機管理、広報、メディアリレーションなどに関するコンサルタント活動を行う。
https://www.mdnboys.com/profile

本サイトは竹中 功氏による著書「吉本興業史」の内容を、著者及び株式会社KADOKAWAより許諾を得て一部掲載しています。お買い求めは上記リンクが便利です。
※ 図版・テキストのレイアウト・表現など、本書と本サイトの内容は一部異なる場合があります。

未だ犯人の判明しない中田カウス襲撃事件

 林マサ氏によるお家騒動の中で起きたのが中田カウス襲撃事件だ。

 カウスが乗っているベンツが襲われたのは、なんばグランド花月を出てすぐのところだ。日本橋(にっぽんばし)二丁目(大阪市中央区(ちゅうおうく))の交差点で信号待ちをしていたところでの不意打ちだった。

 最初にも書いたように、突然、停めた原付バイクから降りてきた男がいきなりバットで窓ガラスを殴りつけてきたのだ。バットにはガムテープでガラスクラッシャーが巻きつけられていたのだから、プロの仕事だったとも考えられる。

 二度目に振り下ろされたバットは、カウスの頭にも当たった。三発目がきたとき、カウスはバットを(つか)んで、後部座席にいた弟子とともにバットを奪い取っている。信号が変わるとすぐにベンツを発車させた。襲撃者のほうは現場近くに停めていた原付バイクに乗って逃げたようだった。

 事件発生から十年以上経っている現在も、犯人は判明していない。実行犯も黒幕も、罪には問われていないということだ。

 当時の状況からすれば、疑われる黒幕はおのずと絞られる。しかし、警察が犯人を特定しない限り、私などが軽々しく名前を出すわけにはいかない。

 目撃者も多かったド派手な襲撃事件だったにもかかわらず、いまなお実行犯が特定されていないのも不思議な話ではある。

 襲撃されたあと、カウスは110番に通報して、なんばグランド花月に戻った。連絡を受けた私も、すぐにカウスのもとへと駆けつけている。

 楽屋にいたカウスは血だらけになっていて、ジャケットにはガラスの破片が突き刺さっていた。

「ちょっと脱いでみてください」と、ジャケットを振ってみると、胸ポケットからウィンドウガラスの破片がバラバラと落ちてきた。犯人の攻撃が容赦ないものだったのがわかり、ぞっとした。

 警察が駆けつけ、マスコミもすぐに集まってきた。

 カウスは事情聴取と治療のため、警察署と病院に行くことになったので、記者たちには私が対応した。簡単に状況だけを話して、「今日はもう、カウスは戻ってきませんから」と引き取らせている。

襲撃を受けた中田カウスのその後

 その後、カウスたちと私がファミレスで落ち合ったときには、夜中というか朝方になっていた。

 まずビールを注文して、「おつかれさ~ん」と乾杯したのを覚えている。だが、こんな時にそのビールを注文したのは誰だったか……。「とりあえずビールを頼もうって言うたんは竹中さんやで」とカウスに言われたことはある。正直いって、どうだったかは覚えていない。

 頭に包帯を巻いたカウスが、夜中のファミレスで乾杯していたのは、ハタから見れば異様な光景だったにちがいない。離れた席にいたヤンキーのような少年たちが目を真ん丸にしていた。このときにはもう、ニュースで事件が報道されていた。襲われたはずのカウスが目の前でビールを飲んでいるのを見れば、驚くのも当然である。

 翌朝、吉本興業の事務所には「今後も中田カウスを使うんやったら、あれだけではすまんぞ」という脅迫電話がかかってきた。
 そのため大阪府警では「企業脅迫事件」として捜査が開始された。

 こんなことが、いまから十年ちょっと前に起きていたのだ。
 それでもカウスは、いまなお芸人として、大勢のお客さんを笑わせ続けている。
「なぜ、それが許されるのか?」と言う人はいるが、まぎれもない事実だ。

試し読みページ一覧

はじめに
日本中を騒がせた二つの記者会見
・宮迫博之と田村亮の闇営業謝罪会見
・吉本の内部事情をさらけだすよな2時間半
「ビッグボス」がいなくなった日
・「お家騒動」に巻き込まれた中田カウス
・林正之助会長の逝去
「創業家当主」が起こした、お家騒動
・林マサ氏によるお家騒動
・中田カウスとマサ氏の関係
・キナ臭かった当時の吉本
「血だらけ」になっていた中田カウス
・未だ犯人の判明しない中田カウス襲撃事件
・襲撃を受けた中田カウスのその後
TOBにより林家、暴力団関係者と決別
・吉本興業の改革/創業家の排除
島田紳助の後輩への想い
・一世を風靡した島田紳助/島田紳助の引退
大﨑洋の「紳ちゃん……、ごめんな」
・波紋を呼んだ大崎の発言/大﨑の心中
「吉本興業vs講談社」という図式
闇営業騒動の余波
・カラテカ入江の契約解除
・加藤浩次と田村淳の独立
デビュー前のダウンタウン物語
NSC一期生という「ファミリー」
和会系暴力団組長の誕生パーティ出席事件

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