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闇営業騒動の余波|カラテカ入江の契約解除・加藤浩次と田村淳の独立

竹中功

著者:竹中 功

1959年大阪市生まれ 1981年吉本興業株式会社入社後、宣伝広報室を設立、『マンスリーよしもと』初代編集長、よしもとNSCの開校に携わる。よしもとクリエイティブ・エージェンシー専務取締役、よしもとアドミニストレーション代表取締役などを経て2015年7月退社。
現在は作家として謝罪関連から、広報、コミュニケーションの専門家としての出版多数。また講演会やセミナーを通してビジネス人材の育成や危機管理、広報、メディアリレーションなどに関するコンサルタント活動を行う。
https://www.mdnboys.com/profile

本サイトは竹中 功氏による著書「吉本興業史」の内容を、著者及び株式会社KADOKAWAより許諾を得て一部掲載しています。お買い求めは上記リンクが便利です。
※ 図版・テキストのレイアウト・表現など、本書と本サイトの内容は一部異なる場合があります。

カラテカ入江の契約解除

 令和に起きた騒動に関して、いくつか付け加えておきたい。

 問題の忘年会の仲介者だったカラテカ入江は、『フライデー』の第一弾記事が出る前に吉本興業から真相を(ただ)されていた。それに対して、入江は「反社からの依頼だとは思わなかった」と答えていたようだ。それでも入江は、『フライデー』が発売される以前に契約解除となっている。この段階で宮迫、田村亮やそれ以外の芸人については厳重処分にしていただけだったのだから、責任が大きいと判断されたのだろう。

 人脈の広さを売りにしている入江は、「イリエコネクション」という株式会社も設立していた。「人と人を(つな)げるコンサルティング会社」だと打ち出していたが、実態はよくわからない。ただし、芸人の営業を仲介、斡旋(あっせん)しているということでは、吉本興業の業務とかぶる部分はあったはずだ。所属芸人が焼肉屋を経営するのとは意味が違う。競合する会社を経営していたことを問題視しなかったのは、吉本興業の寛容さであり、甘さでもある。

 ちょっとやそっとのことでは芸人を解雇しない吉本が、契約解除を即決したのも異例だった。このとき吉本は「社の規律に反し、芸人やタレント、会社全体のイメージやブランドを著しく失墜させたことで契約解消に至った」と説明していた。

 この処分、吉本は入江を加害者側と認定したようだが、実際には彼自身の甘さから自らを被害者に陥れてしまったといえる。

 問題の忘年会の半年前に、同じ詐欺グループの首謀者の誕生会が開かれた際にも、入江は芸人たちを参加させる仲介をしていたことが第二弾記事としてスクープされた。

 吉本興業以外の事務所に所属する芸人も、問題の詐欺グループの会に参加していたことが、その後に報道されている。

 さらに記者会見前日となる7月19日発売の『フライデー』では、宮迫が金塊強奪事件の主犯格とされる男たちと酒席をともにして、金銭を受け取ったとする記事が出された。吉本興業が宮迫とのマネジメント契約を解消したのは、この記事があったからだと推測される。だが、単に店で会った相手に一緒に写真を撮ってほしいと頼まれただけだったのか、酒席をともにすることで謝礼をもらう、いわゆる「ギャラ飲み」だったのかは、いまもってうやむやになっている。

 実際にお金のやり取りがあったかはともかく、金塊強奪犯とわかっている相手とギャラ飲みする芸能人はいないはずだ。所属芸人の言葉を信じるのか、金塊強奪犯の話を鵜吞(うの)みにするのか、鵜吞みにした記事を信じるのか、という話でもある。

 真相はわからないにしても、所属芸人が「知らない」と言うなら、信じるべきではないのか、というのが私の見解だ。あの記事が出たことにより、これ以上の厄介事はごめんだと考えて契約解消を決めたのであれば、吉本らしくなさすぎる。もしくは、宮迫が真実を話してくれるしかない。

加藤浩次と田村淳の独立

 また、宮迫と岡本社長の会見のあとには、「極楽(ごくらく)とんぼ」の加藤浩次(かとうこうじ)が「いまの体制が続くのならオレは吉本興業を辞める」と発言したことも注目された。

 加藤がそう言ったのは、会社に対する不信感が大きくなっていたからこそだ。それではファミリーでいられるはずがない。結局、加藤は、吉本興業とはエージェント契約を交わ
したかたちで個人事務所「有限会社加藤タクシー」を設立することで落ち着いた。大﨑会長や岡本社長とのあいだで、どんな話し合いが持たれたのかはわからない。

 ロンドンブーツ1号2号の田村(あつし)も、「株式会社LONDONBOOTS」を設立した。この際には、「独立ではなく、田村亮と吉本興業をつなぐための会社」と説明していた。私としては亮が直接、吉本興業と契約を結びなおすのが筋だとは思っていた。淳とすれば、事を荒立てずに亮を守りたかったのだろう。折衷案のようにも見える事務所設立だった。

 結果としてこの騒動は、芸人たちの吉本離脱につながりはしなかった。それ自体は悪いことではない。この騒動を機に、会社と芸人の関係性が見直されていくのであれば、今後にもつながる。

 まだまだ不確定な部分は多いにしても、吉本興業としてはもう一度、芸人ファースト、お客さんファーストとは何かを考え、反社には近寄らない姿勢を徹底していくものと期待したい。

試し読みページ一覧

はじめに
日本中を騒がせた二つの記者会見
・宮迫博之と田村亮の闇営業謝罪会見
・吉本の内部事情をさらけだすよな2時間半
「ビッグボス」がいなくなった日
・「お家騒動」に巻き込まれた中田カウス
・林正之助会長の逝去
「創業家当主」が起こした、お家騒動
・林マサ氏によるお家騒動
・中田カウスとマサ氏の関係
・キナ臭かった当時の吉本
「血だらけ」になっていた中田カウス
・未だ犯人の判明しない中田カウス襲撃事件
・襲撃を受けた中田カウスのその後
TOBにより林家、暴力団関係者と決別
・吉本興業の改革/創業家の排除
島田紳助の後輩への想い
・一世を風靡した島田紳助/島田紳助の引退
大﨑洋の「紳ちゃん……、ごめんな」
・波紋を呼んだ大崎の発言/大﨑の心中
「吉本興業vs講談社」という図式
闇営業騒動の余波
・カラテカ入江の契約解除
・加藤浩次と田村淳の独立
デビュー前のダウンタウン物語
NSC一期生という「ファミリー」
和会系暴力団組長の誕生パーティ出席事件

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