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睡眠の質を高める朝食と夕食

西野精治

著者:西野精治
米国スタンフォード大学医学部精神科教授 スタンフォード睡眠・生体リズム研究所所長 医学博士
https://profiles.stanford.edu/seiji-nishino

本サイトは西野精治氏による著書「睡眠障害 現代の国民病を科学の力で克服する」の内容を、著者及び株式会社KADOKAWAより許諾を得て一部掲載しています。お買い求めは上記リンクが便利です。
※ 図版・テキストのレイアウト・表現など、本書と本サイトの内容は一部異なる場合があります。

 睡眠の質を高めるためには、食事も大事です。

 特に大事なのは朝食でしょう。朝食には、体内時計をリセットする働きがあるからです。脳の視交叉(しこうさ)上核にある体内時計は、摂食行動で活性化されます。つまり、朝食で、食べものを口に入れる、咀嚼(そしゃく)する、飲み込むという運動で体を目覚めさせてくれるのです。

 マウスを使った最近の研究では、いつもなら眠っている時間に食事を1週間摂り続けると、視交叉上核の体内時計だけでなく、肝臓の末梢(まっしょう)にある体内時計も、食事の時間に合わせてずれてしまうという報告があります。またダイエットで朝食を抜く人もいるようですが、マウスの実験では朝食を摂らないと太るといった結果も報告されています。

夕食は寝る何時間前が最適?

 夕食で気をつけることは、摂るタイミングです。遅過ぎても、早過ぎても睡眠の質を悪くすることになります。

 まず、寝る前の食事は控えることです。寝る前に食事を摂ると、消化活動が続いている状態で眠りに入ることになり、脳も体も休ませるノンレム睡眠には入れなくなるからです。

 また、寝る直前にエネルギーを摂取すると、そのエネルギーは体内で使われることなく、脂肪として蓄積されることもわかっています。

不眠の原因「逆流性食道炎」

 また、日本ではあまり知られていない不眠の原因として逆流性食道炎があります。逆流性食道炎とは、強い酸性の胃液や胃の内容物などが食道に逆流して炎症をおこす病気です。

 欧米では不眠の原因としてよく指摘されます。日本での逆流性食道炎の有病率も約10%で、その半数が不眠を伴うとも報告されています。そういった兆候のある人は、就寝前に、脂っこいものや刺激の強い香辛料の入った食べものを摂取すると、胸焼けや吞酸(どんさん)で眠れなくなり、浅い睡眠が続くので、胃酸の逆流も起こりやすくなり、悪循環になります。

 こういった際の不眠は、逆流性食道炎の治療と生活習慣の改善での治療が望まれます。

夕食を食べる時間は寝る2~3時間前

 夕食を早く摂り過ぎるのもよくありません。

 動物に餌をやらずにいると、本来は休む時間帯であっても餌を探すというような、探索行動をはじめます。なぜなら、餌を食べないと死んでしまうからです。

 わたしたちに、この野性的な本能がどこまで残っているのかはわかりませんが、空腹になると眠れなくなります。お腹が()いて、夜中に冷蔵庫を開けに行くことは、もしかすると本能による行動なのかもしれません。

 夜中にお腹が空くと、通常夜間は分泌が抑えられている覚醒ホルモンのオレキシンの分泌が増えることもわかっています。そういうことから見ても、あまりに早い夕食は、空腹を招くだけでいいことがありません。眠りにつくまでの時間から逆算して、自分にあった夕食の時刻を見つけていくべきです。

 入眠時に消化活動が落ち着き、睡眠中に空腹感がない状態にするには、寝る2~3時間前が夕食の理想のタイミングと言われています。

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