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体内時計は太陽光でリセットされる

西野精治

著者:西野精治
米国スタンフォード大学医学部精神科教授 スタンフォード睡眠・生体リズム研究所所長 医学博士
https://profiles.stanford.edu/seiji-nishino

本サイトは西野精治氏による著書「睡眠障害 現代の国民病を科学の力で克服する」の内容を、著者及び株式会社KADOKAWAより許諾を得て一部掲載しています。お買い求めは上記リンクが便利です。
※ 図版・テキストのレイアウト・表現など、本書と本サイトの内容は一部異なる場合があります。

太陽光は全身で浴びる必要があるのか?

 体内時計のリセットや、メラトニンの合成抑制にもっとも影響を与える太陽光ですが、直射日光を浴びなければいけないわけではありません。空に太陽が見える・見えないではなく、太陽が昇って朝になり、沈んで夜になるという昼夜の区別がつくかどうか。そこが、体内時計には肝心です。

 つまり、網膜のメラノプシンが光を感知できれば、それで十分なのです。

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太陽光を浴びないと起こる障害

 太陽光を浴びないことによって起こる障害に、季節性感情障害というものがあります。これは、睡眠障害ではなく精神疾患で、秋から冬にかけてうつ症状が現れ、春先になると症状が改善することから季節性と言われています。秋から冬にかけて日照時間が著しく短くなる緯度の高いエリア、特に北欧に多い病気とされています。

 太陽光を浴びる時間が少なくなると、問題になるのが、メラトニンの材料になるセロトニンの合成が減退することです。

 整理しておくと、太陽光を浴びると、体に()り込まれた必須アミノ酸であるトリプトファンからセロトニンが合成されます。太陽が沈むと、松果体でセロトニンからメラトニンが合成されます。そして、翌日の朝を迎えて太陽光をメラノプシンが感知するとメラトニンの合成にブレーキがかかり、またセロトニンの合成がはじまります。

 セロトニンの分泌が少なくなると、うつ病の発症率が高くなります。そして、それが直接の原因ではないこともあるでしょうが、自殺者が増えることになります。

 季節性感情障害は、症状が出る時期に特徴があることや緯度の低いエリアへ旅行すると症状が軽くなったり、消失したりすることから、日照時間の変化と体内時計がずれるのが原因ではないかと考えられています。

 そこで第一の治療として、1~2時間程度、2500~10000ルクスの高照度の光を照射する光治療法が選択されることが多いようです。

 季節性感情障害は睡眠障害ではありませんが、生体リズムが乱れることで生じます。そこに大きく影響しているのが、光なのです。

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