分散人工知能
概要 †
役割の異なる複数の人工知能を協調させてひとつの機能を実現した、いわば人工知能のコミュニティによるシステムを、分散人工知能と呼ぶ。たとえば、ゲーム全体の人工知能システムは、キャラクターAI、ナビゲーションAI、メタAIの分散協調システムである。
ゲームにおける分散型人工知能 †
ゲームにおける分散人工知能は、つぎのような形で活用される。
たとえばキャラクターAIとナビゲーションAIがコミュニケーションをする。ゲーム内のオブジェクトや環境(レベル)の中に埋め込まれた情報(詳細は「アフォーダンス」を参照)を、ナビゲーションAIからキャラクターAIへ提供することで、各エージェントは、ゲーム中に用意された仕掛けなどのレベルデザインを機能的に使うことができるようになる。これによって、キャラクターAIは、エージェントができる行動のリストを取得できる。
ひとつひとつ要素が単純な機能しか持たない場合でも、それらが協調することで全体として複雑な知能を実現する。エージェントどうしが協調し合うチームや群衆をまとめる知能も分散協調の仕組みである。また、エージェントの思考を複数の独立した思考モジュールの集合として表現することで、状況に応じた思考を使い分けることができる。
さらに、ひとまとまりの知能では処理情報が膨大になり過ぎてしまうところを、小型の人工知能を連携させる分散人工知能を導入することで、各システムの負荷を減らす効果も期待できる。
関連項目 †
参考文献 †
- 『分散人工知能 (並列処理シリーズ) 』
- 『人工知能の作り方』 (三宅陽一郎 著/技術評論社)
- 「相互作用系の科学と人工知能科学(ゲームAI連続セミナー第3回付録II)」
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