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ニューラルネットワーク

概要

 ニューロン(神経細胞)の伝達構造をコンピューター上のシミュレーションによって表現することを目指した数学モデルのこと。人や動物のニューロンは、他のニューロンから一定以上の刺激を受けると興奮し、つながったニューロンに電気信号を送ることで情報を伝達する。ニューラルネットワークはこの仕組みを数値モデル化したもので、生物学や神経科学での同一ワードの使われかたと区別するため、人工ニューラルネットワーク(人工神経回路網、英: artificial neural network, ANN)とも呼ばれる。

 ニューラルネットワークは、おもに識別能力によって、画像や波形などといった言語記号に還元できない問題を処理できることと、それ自体が学習能力を持つのが特徴。まず人間が例題とそれに対する模範解答を教える(この模範解答を教師信号と呼ぶ)ことで、一度学習したことをもとに自律学習ができるようになる。さらに、たとえば特定の文字や単語を覚えた場合、異なる筆跡で記された同じ言葉を同一のものとして識別するなど、それらの応用もできる。

歴史

 詳細は「ゲームAIの歴史」を参照。

 1950年代以降、人工知能の開発は、事物を記号に置き換え、記号どうしの関係性を規則化することで知能を作ろうとする記号主義(シンボリズム)に基づく研究が先んじていた。とくに1990年代以降はインターネットに記号や言語といった情報があふれたため、それらを、記号主義に基づく記号的人工知能が学習することで飛躍的に進化した。

 一方で、現在活用されているニューラルネットワークやディープラーニングの基礎となる研究も1950年代から進められてきた。そのころ、ホジキンとハクスレーによって、脳の回路がニューロン内の電位の変化やイオンチャンネルを通じたニューロン間の化学物質のやりとりであったことが明かされた(ホジキン-ハクスレーモデル)。この知見は1958年にフランク・ローゼンブラットによって、視覚と脳の機能をモデル化してパターン認識を行うパーセプトロンというモデルに整備された。パーセプトロンは入力層と出力層のみを持つシンプルな設計であったが、学習や予測ができた。これが現在に至るニューラルネットワークの原型となっている。しかし、「矛盾したことを覚えられない」という欠点を1969年にマービン・ミンスキーらに指摘されたことで、その役目を終えることとなる。

 1979年、NHK技術研究所に勤めていた福島邦彦は、電子通信学会論文誌にネオコグニトロンに関する論文を発表。ネオコグニトロンは、パーセプトロンを進化させたもので、“階層型の神経回路モデルを実用化させた、視覚によるパターン認識システム”だった。また、神経回路を模して自己を組織化する機能と、それによりみずからパターン認識能力を獲得していく学習能力を持っていた。これを発展させたものがディープラーニングの現在の主流のモデルのひとつ、畳み込みニューラルネットワーク(Convoltional Neural Network、ConvNet、CNN)である。

ゲーム内で活用される事例

 デジタルゲームにおけるニューラルネットワークは、その学習能力をキャラクターの頭脳として用いる形で活用される。周囲の環境(入力)に対する適切な行動(出力)を学習させるのだ。ただし開発が大がかりになり、メンテナンスコストも高いため、デジタルゲームへの導入の事例は少ない。

※『Black&White』の開発者インタビュー

 国内では1997年に『がんばれ森川君2号』(ソニー・コンピュータエンタテインメント)で、キャラクターの意思決定にニューラルネットワークが用いられたため、ユーザーが学習を行わせることができた。
 また海外では、クリーチャーを褒めたり叱ったりしながら自己の化身として調教し、世界の統治を目指すゲーム『Black&White』(Lionhead Studios/2001年)で、ピーター・モリニューが登場クリーチャーの頭脳にニューラルネットワークを使用したほか、『Supreme Commander 2』(Gas Powered Games/2010年)は開発の時点で戦闘時のターゲティングをニューラルネットワークでキャラクターに1時間学習させてから出荷している。

関連項目

ディープラーニング

参考文献

AI wiki 記事一覧

はじめに

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